ベーシックインカムは実現可能か。メリット・デメリットと解決法を考えてみた

何年か前から話題に上がっているベーシックインカムはご存知でしょうか。

ご存知の方も多数いらっしゃると思います。 きっと他のWebサイトやテレビなどで、メリット・デメリットを知った方も多いと思います。

2018年現在、いくつかの国や地域で実験的に導入が進められており、いま一度ベーシックインカムの是非を考えてみたいなあと思います。

ベーシックインカムとは?

ベーシックインカムとはbasic(基本的な)income(収入)ということで、政府または指導団体によって性別年齢に関係なく(または一定の線引きをして)無条件で全国民に生きるために必要最低限のお金を支給する制度です。

ベーシックインカムのメリット

餓死しない

色々言われますがまずは、「餓死しない」ことでしょう。

冗談ではなく、日本でお金がなく死を選ぶ、もしくは餓死する人の数は1日に18人を超えます。 ※餓死、栄養失調、経済的理由で自殺した人数の合計を365日で割った値

生活できる必要最低限のお金が支給されるわけですから、普通に生きていれば死ぬことはありません。

社会保障費の減少が見込める

現在日本の社会保障制度では、きめ細かく対応するため貧困、病気、怪我などかなり細かくカテゴリを分け給付金を設定しているため、多大なコストがかかっています。

これらをベーシックインカムで一括して支給するとこれらを縮小させることができます。

無駄な労働がなくなる

ここでの無駄な労働とは、生活するために仕方なく働いている、そんな労働を指します。

これからは単純作業や効率計算などコンピュータ領域が広がり、人間がやらなくていい仕事が増えます。

そんな中で生活するために働こうとする人がいれば、本人も社会的にもまさに無駄なのです。

自らの「時間」をお金に変える、そんな労働は淘汰され、真に自らの「労働」でお金を稼ぎだす、そんな労働が残ることとなる一助とベーシックインカムはなり得ます。

ブラック企業の淘汰

ベーシックインカムで生活は保証されているわけですから、労働者は好きな労働を時間をかけて選択できます。 過酷な労働時間や労働条件で働きたい人が大量にいない限り、ブラック企業と呼ばれる企業は体質を変えるか、潰れるしかありません。

優秀な人材がブラック企業に眠っている可能性も大いにあり得ますから、日本経済に大きなメリットをもたらしてくれる可能性は大きいと言えます。

心が豊かになる

これは間接的な影響ですが、働かないと死ぬ、働いても出世できない、残業代は出ないなど、明らかに心にマイナスの影響を与えるものは全てなくなります。

お金の余裕は心の余裕に繋がるからです。

職場が嫌ならやめることは簡単ですし、その空いた時間は趣味や勉強に使うことができます。

ベーシックインカムのデメリット

ベーシックインカムは待望論と同様に批判も多く、一部の学者は国としての体をなさなくなり、国が滅びるとまで言っています。

具体的にデメリットはなんなのか、その対策はどうするべきなのか探っていきましょう。

財源の確保はどうするのか

ベーシックインカムの財源に多額の費用が必要なのは言うまでもありません。

だいたい90〜100兆円必要だと思われます。

ベーシックインカムの財源案は色々なところで出ていますが、私はこんな感じで計算してみましたのでこちらをご覧になってみてください。

www.yuki-t.site

労働者が減少し経済が衰退するのでは?

まぁこれに関しては、どうなるか分からないです。 いろんな国で実験をしていますが、あくまでも実験段階なので、これに関してはあんまり参考にならないかなあと。

実施後何年かは不安で変わらず労働する人が大半だと思いますが、確実に運用できるとなればやめる人もいれば続ける人もいる、そんな状況になりそうです。

そもそもなぜ働くのかを考えた時に、働かないと物資がない、食っていけない、だからだと思います。

生活が保証されている中で、その額で生活するのか、それとも趣味にお金を使いたいからもう少しお金を稼ぐのか、それは人の価値観によって変わりますし、誰も具体的にこうなるなんてデータを出していませんし、出しようがないってのが現実だと思います。

労働に生きがいを感じている人はどうなるの?

ベーシックインカム社会主義と勘違いされることがありますが、これ以上は稼いではならないなんてことは言っていません。すなわち、競争や労働を否定しているわけではないので、働きたければ働いてください。

更に、働かなくてもなんでも手に入り、なんでもできるわけではありません。

あくまでも最低限の生活が保証されているだけなので、贅沢をしたければそれなりの労働が必要になります。

労働≒贅沢できる額になるので、働き甲斐はより感じるのではないでしょうか。

1日で使い果たす人がいるのでは?

個人的には、知らんお前が悪いと言いたいところですが、国としてはこれは解決すべき大きな問題です。

いまのところ、さまざまな解決策がありますが、どれもベーシックインカムのメリットを消すことにつながるもので、決定的な解決策はありません。

電子マネーやギフトカードなどで使い道を制限することが一番有力ですが、これもどうかなあと個人的には思います。

最後に

こんな感じでざっくりまとめてみました。

日本に根付く、「働かざるもの、食うべからず」的な考えとは真逆を行く考えなので、導入は難航する気がしますが、少しでも多くの人にベーシックインカムを知ってもらい、導入の是非を考えてみてほしいなと思っています。

まずは興味を持つ、そして自分で考える、この行為こそが国を豊かにし素晴らしい未来へと導いてくれます。

若者が興味を持ちそうな話題なので、真剣に検討してくれる政党が出てきたら面白いのになあと思います。